皆さんこんにちわ!
守口市や門真市等、北河内エリアや京阪沿線で「話しやすく相談しやすい」がモットーの税理士の井口です。
今回のブログでは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、企業経営者に重要なトピックについてご紹介します。
税制情報トピック①
骨太方針2024が閣議決定。事業承継税制の見直しに注目
6月21日、「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」が閣議決定されました。税制面の注目点は次の3つです。
(1)事業承継の環境整備
令和6年度税制改正により、事業承継税制の手続で重要となる「特例承継計画の提出期限」が令和8年3月31日まで2年延長されました。一方、贈与でこの特例を利用するためには、「今年の12月末まで」に後継者が役員に就任している必要があります(役員就任要件)。骨太の方針では、事業承継の足かせとならないよう、要件の見直しの検討が盛り込まれました。
(2)M&Aの環境整備
今回の骨太の方針では、親族内の事業承継だけでなく、「第三者への承継を促進する税制の在り方の検討を深める。」も明記されました。また、M&Aの環境整備のため、税制以外にも次のような項目が盛り込まれています。
・仲介事業者の手数料体系の開示を進める
・M&A成立後の成長に向け、実施企業によるPMI(組織・業務の統合作業)や設備投資を促進
・地域金融機関に対し、PMIを含め、M&Aの支援強化を促す
・金融機関が中小企業に対し事業承継やM&Aに関するコンサルティングを行う際に、経営者保証の解除に向けた方策を提案することを促す
(3)iDeCoの拡充
テレビや新聞で一時期話題になっていたiDeCo(個人型確定拠出年金)の
・拠出限度額
・受給開始年齢
の上限引上げについて、「年内に結論を得る」ことが骨太の方針に明記されました。
あわせて、手続の簡素化など加入者・受給者の負担軽減も検討されるようです。
▼詳しくはこちらから
内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2024」
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2024/decision0621.html
税制情報トピック②
類似業種比準価額 1~2月分が公表
6月18日、国税庁から「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」が公表されました。自社株評価で重要となる「類似業種比準価額」の業種ごとの株価ですが、近年の日本株の株価上昇により、全体的に高くなっています。
特に
・建設業(+22%)
・電気・ガス・熱供給・水道業(+31%)
・金融業、保険業(+29%)
・宿泊業、飲食サービス業(+33%)
・生活関連サービス業、娯楽業(+72%)
・医療、福祉(+27%)
のように、前年比で20%以上、株価が上昇した業種もあります。自社の業績が大きく変わっていなくても、類似業種の株価が高くなることで自社株の評価額が高くなるため、贈与・相続、事業承継対策に注意が必要です。特に3月決算法人は決算・申告も終わり、新しい年度の株価評価をするのにうってつけの時期です。この機会に自社株の評価額について考えてみませんか?
▼詳しくはこちらから
国税庁「令和6年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/r06/2406/index.htm
最後に
今年も6月に骨太の方針が公表されました。令和4年、5年とテーマになった項目はその年の税制改正大綱に反映されています。4年:NISA→恒久化など抜本的拡充、5年:賃上げ促進税制→5年間の繰越控除など強化、今回:事業承継税制、M&A税制、iDeCo→改正?いずれも令和7年度税制改正のテーマになると思われますので、今後の議論に注目したいところです。
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